Biography

坂詰美紗子

 

-Profile-

生年月日:1984年5月27日 (25歳)
出身:神奈川県横須賀市
趣味:手芸、食べること、ネットサーフィン、買い物
特技:夜更かし、即興で作詞
Favorite Artist:
Donny Hathaway、Alicia Keys、Patrice Rushen、Keyshia Cole

切ない恋うたで涙するのもいいけれど、恋は悲しいシーンの連続じゃない。
坂詰美紗子が綴る恋うたは、愛されたい女の子のトキメキがメインテーマ。女の子の恋の願いをド直球に描く彼女の歌は、弾んでいて、晴れやかで、アナタをきっとシアワセ気分にしてくれるはずだ。

幼稚園の頃からピアノでオリジナル曲を作っていたという坂詰美紗子が、その天賦の才を音楽業界に知らしめたのは19歳のとき。インディーズで作品を発表する前だったにもかかわらずCrystal Kayに、のちに彼女の代表曲となる「恋に落ちたら」を提供。その後も、EXILEに「響 〜HIBIKI〜」、BoAに「LONG TIME NO SEE」、KやSoweluなどにも楽曲を提供し、数々のヒットを生み出してきた。
彼女の音楽的なベースになっているのは、70 〜80年代のソウル/R&B。鍵盤にふと手を置くと「ファ・ラ・ド・ミ(Fメジャー7th)」(7thコードはジャズ、ブルース、ソウルといった黒人音楽の肝と言えるコード)のカタチになってるというくらい、彼女に黒人音楽は染みついている。けれども、それをマニアックに表現するのではなく、耳馴染み良く聞かせる才能がピカイチ。中学生時代はユーミンがカラオケの十八番で、槇原敬之にも心酔していたという彼女が書くメロディはこの上なくキャッチーで伸びやか。R&Bやソウルにポップスの魔法をかけ、次々に名曲を生み出す「奇跡のシンガーソングライター」なのだ。
そんな彼女は一体どんなキャラなのか。学生時代の様子や好きなモノを聞いたところ、これが面白いほど、彼女の作風……1stアルバム『love note』の世界観に繋がっている。

☆ 子ども時代はちょっと運動音痴で、家で遊ぶことが多い、内向的な子。
☆ 小学校のときに夢中になった遊びはシール交換。中学高校はずっと吹奏楽部に在籍。
☆ 読書大好きで、小学校の頃に好きだった作家は、児童文学の矢玉四郎(「はれときどきぶた」)。大人になってからはリリー・フランキー。
☆ 中学のときは映画に夢中。好きな映画は「バック・トゥ・ザ・フューチャー」と「ロミオ+ジュリエット」。スピルバーグ好きで、恋愛ものは悲恋ものより、ハッピーエンドが好き。

恋にまつわるアレコレも訊いてみた。
☆ 基本、恋愛体質。恋に恋しちゃってるところもアリ。
☆ でも、奥手で、バレンタインのチョコは絶対渡せない派。
☆ 恋愛相談は「される」方で、キューピッド役も多し。
☆ 好きな人を、三歩下がって立てるタイプ。「彼氏とは対等な関係じゃなきゃイヤ」なんてセリフは絶対ありえない。
☆ “シアワセな恋”を感じるモノは「ピンク色」「お揃いのモノ(携帯ストラップとか指輪とかマグカップ)」「新しいニックネーム」「保護メール」。
☆ 好きな言葉は「思えば、思わるる」。マザー・テレサの名言「やさしい言葉は、たとえ簡単な言葉でも、ずっとずっと心にこだまする」。

これらから思うのは、彼女はイマジネーションを働かせることに長けていて、ファンタジーな世界観が好きな一方、リリー・フランキーが得意とする、現実的な細かい「あるある」ネタも好きだということ。実際、彼女は友達の恋バナをヒントにして、半分ノンフィクション半分フィクションといった格好で、恋愛小説を綴るように歌詞を書く。彼女の歌詞が普遍的でありながら、読むと「あるある」と思えるのは、そこに秘密がある。
プラス、彼女は乙女チックな思考の持ち主。歌の主人公は、わりとはにかみ屋さんで、ラブリーな恋愛関係や自分のシアワセな未来像を追い求める曲が多い。
今回届いた1stアルバム『love note』には、社会に出て恋も仕事も頑張っている女の子を描いた「きっと大丈夫」や、恋心が芽生えた瞬間を細やかに描写した「恋の誕生日」などを収録. 「さよならもありがとうも言えない」という失恋エピソードから始まった “すぐそこにある恋”三部作も、ラストの「オンリーワン」は二人が復縁してハッピーエンドになっている。

坂詰美紗子は自分の曲で、学校のクラスの三軍以降の女の子を応援したいと言う。
彼女いわく、一軍はヤンキー、二軍は頭の良い子がひとりふたり混じってるオシャレなグループ。どちらも学年で目立ってて、ルックスはイケてて、彼氏は常にいる感じ。三軍は可愛い子もいれば普通の子もいて、四軍は勉強頑張り過ぎちゃった感じで、五軍は漫画とかアニメが好きなオタク気質の子。彼女の例えは少し極端だけれども、でも、坂詰美紗子の曲は、基本、「私なんて」という立ち位置で描かれている。ここもポイントだ。 「三軍以降の子たちは、誰かと両思いになれたありがたみとか、幸せ感とか、いろんなことがわかるから。自分も三軍以下に属してたからこそ、応援したいというか、気持ちがわかるんです。男の子と対等じゃないし、上から目線じゃないし、ちょっと恋愛に対して夢見がち。私がそうだから、そういう目線の曲になるんだと思うんです」
世の中、大抵のオンナのコは、恋に自信がなかったり、臆病になっていたりするものだ。そんなオンナゴコロに元気を与えてくれるのが、坂詰美紗子のラブソング。彼女の歌は、夢見がちなぶん、キラキラしていて、ロマンチックで、きっとアナタをシアワセな香りでくるんでくれるはずだ。

猪又 孝(DO THE MONKEY)